コラム

春にばてない健康管理

休み明け前日、サザエさん症候群に注意しましょう

春爛漫、春は1年で最も元気になる季節と思われている方も多いのではないでしょうか。しかし、意外にも何となく調子が出ない、身体がだるい、眠っても眠ってもまだ眠い、気分がすぐれないなど不調を感じやすい季節でもあります。
そのため、最近では “春ばて” と言われることもあります。

春の体調不良は自律神経のバランスが崩れることが主な原因です。日々の、そして日の中でも寒暖差が非常に大きく、高気圧と低気圧が頻繁に入れ替わるため気圧の変化も大きい季節です。さらに、日照時間が長くなり、朝目が覚める時刻が早くなるため睡眠時間が短くなる傾向があります。

また、このような気温、気圧、日照時間といった自然の因子に加え、卒業、入学、進級、就職、異動など生活環境の大きな変化が自律神経に影響を与えて体調不良を起こします。
そのため春の体調不良を予防するためには、自律神経のバランスを崩さないように注意することが大切です。

  1. 先ず、朝ごはんを抜かないで、栄養のバランスが良い食事を1日3食、しっかり食べることです。その際にコップ1杯でも水分を飲むことも効果的です。
  2. また、朝一定の時刻に起きること、そして雨戸やカーテンを開けて陽の光を浴びることは、体内時計を整えることに重要です。体内時計が夜の休息モードから昼の活動モードに切り替わることは、その日の夜に眠気を誘い、良好な睡眠にも繋がります。早いうちに外に出て、散歩、通勤・通学などを行うこと、日中も少しでも身体を動かす習慣を付けることも、自律神経のバランスを保つことに効果的です。
  3. さらに、気温の変化に適応するように衣服の工夫も大切です。
    入浴はシャワーだけでなく、ややぬるめ(38-40度)のお風呂にゆっくりつかることもリラクゼーションに重要です。

最近はテレビ、PC, スマホ、ゲームなどモニターを見る時間が非常に長くなっています。しかし、そこから発生するブルーライトは睡眠の妨げになります。寝る直前までモニターを見ることは避け(できれば就寝2時間前まで)、リラックス出来るような音楽を聴くことやアロマを使うことも眠気を誘い、質の良い睡眠に繋がります。

また、花粉症がある人は症状の悪化も、健康障害を増幅させます。自分に合った対策をきちんと行うことも大切です。しかし、自律神経のバランスを保つ注意や花粉症対策を行っても、気分の落ち込みや倦怠感などの症状が2週間以上続く場合は、何らかの疾患の可能性もあります。早めに内科など医療機関を受診するようにしましょう。

産業医 佐藤 潤一