“バランスの良い食事”を摂ることが健康に重要と言われています。
バランスの良い食事の基本は、食べ過ぎを控え適切なカロリーで、主食、主菜、副菜を揃えて食べることです。主食はご飯、パン、麺類などの炭水化物で主にエネルギー源になる料理、主菜は肉、魚、卵、大豆製品など主にタンパク質を多く含む料理、副菜は野菜、キノコ、海藻類などビタミン、ミネラル、食物繊維を多く含む料理です。主食、主菜、副菜の意識を持つこと、カロリーや塩分に注意することだけでもバランスの良い食事に近づくと考えられます。
近年は食生活の欧米化で肉類中心の食事となり野菜が不足する傾向が続いています。野菜が不足すると、便秘、肌荒れ、肩凝りなどの身体症状が現れるだけでなく、免疫が低下して風邪など感染症にかかりやすくなること、高血圧、糖尿病、脂質異常症など生活習慣病や大腸がんなどのリスクが高くなるなど様々な健康障害に繋がることが報告されています。
これは、朝食を食べないこと、昼食もファストフードやインスタント食品で済ますことなどが影響していると推測されます。
因みに野菜350gは、大雑把にいえば“大人の両手いっぱいの量”、“ほうれん草のお浸し、野菜サラダ、カボチャの煮物などの小鉢でおよそ5杯分の量”に相当します。1食で350g食べるのはなかなか難しいと思われますので、1日3食少しずつ野菜を食べることを意識して摂取量を増やしましょう。野菜の不足量が70g前後ですので、小鉢で1杯分多く食べる目安になります。また、生野菜では中くらいのトマト半分、ピーマン2個、レタスの中ほどの葉2枚くらいで70gになります。
なお、野菜を食べる時にドレッシングなどをたっぷりかけることは塩分、油分、カロリーなどが多くなりやすいので注意が必要です。香辛料や低塩の調味料、レモンなど柑橘類をかけるなどの工夫も大切です。
8月31日は8(や)3(さ)1(い)の語呂合わせから“野菜の日”であり、全国で様々な普及行事が行われます。
この機会に野菜の大切さを知って、健康増進に努めましょう。
産業医 佐藤 潤一