栄養士連載 食事プラスワン

第22回 1日の目標塩分摂取量

減塩に挑戦しようとしているヨシキさん(33歳)が来院しました。

栄養士との様子をのぞいてみましょう。

33歳男性 ヨシキさん

この前、初めて血圧が高くなって減塩しましょうと言われました。
だけど、実際どうしたら減塩につながるのか、いまいち想像がつかなくて・・・

減塩をすすめられたのですね。

栄養士

33歳男性 ヨシキさん

はい。でも減塩すると味気が無くて美味しくないイメージがあります。
僕の好きな食べ物が全部食べられなくなりそうです。
特にラーメンとかね。

ラーメンがお好きなのですね。
よしきさんは1日の食塩摂取量の目標量はご存知ですか?

栄養士

33歳男性 ヨシキさん

いいえ、知らないです。教えてください。

1日の目標量は成人男性8.0g、成人女性7.0gと設定されています。
2010年から2015年までは男性9.0g、女性7.5gとされていたのですが、
食塩摂取量が減少傾向にあること、高血圧症の予防、治療のためには6g未満が望ましいとされていることから日本人の食事摂取基準(2015年版)では8.0g、7.0gと設定されたのですよ。

栄養士

33歳男性 ヨシキさん

へえ~そんなことがあったのですね。全く知らなかったです。
僕の食事だとどのくらいの塩分をとっているのだろう。あまり気にしたことがなかったです。

食塩摂取量が減ってきているとはいえ、目標量は達成できていないのが現状です。
よしきさんはラーメンがお好きとのことでしたよね。
ラーメン全体の塩分量はどのくらいだと思いますか?

栄養士

33歳男性 ヨシキさん

うーん…ラーメンは塩分多いと聞きますよね…
4.0gくらいでしょうか。4.0gもあればかなり塩辛いですよね!

塩分多いと聞きますよね。
種類にもよりますが、実はラーメン全体で約6.0~8.0gもあるのです。

栄養士

33歳男性 ヨシキさん

ええ!そんなに入っているのですか?
スープまで飲んだら1杯で1日分の目標量を超えてしまうじゃないですか。

その通り!
スープだけで塩分は約5.0g~6.0g、そこから中華めん自体の塩分やトッピングが入るとさらに増えてしまうのです。
最近ではラーメンのスープにご飯を入れて食べたり、トッピングを追加したりする方も多いですがスープやトッピングの量を控えるだけでも塩分の量は抑えられますよ。

栄養士

33歳男性 ヨシキさん

トッピングにも落とし穴があったとは…ランチでは麺とごはんのセットもあるので、よく頼んでしまいます。

トッピングの中でもメンマやチャーシュー、なると、紅しょうがは塩分が多いのでねぎやのり、もやし、にんにく、ラー油、酢などで味付け・トッピングを楽しみましょう。
野菜たっぷりのラーメンを選ぶのも早食い防止や満腹感を得るのに効果的ですよ。

栄養士

33歳男性 ヨシキさん

トッピングをかえるだけでも減塩につながりそうですね。
僕はラーメンの頻度を減らすか汁を飲まないようにしたいと思います。

そうですね。ただ、食べていけないものはありません。
お好きなものを食べたいときは、その前後のお食事で塩分の調整をすればいいのです。
栄養成分表には食塩相当量が載っているので、そちらを確認しながら選べると良いですね!

栄養士

33歳男性 ヨシキさん

前後で調整するのですね!これから塩分を気にしてみようと思います。
ありがとうございました。

※商品によって異なります。表示を確認してください。

まとめ

塩分は料理の味をひきたてるために、そして生きていくためには欠かせないものです。しかし、塩分の摂りすぎは高血圧だけでなく様々な病気の原因になります。

適度な運動、規則正しい食事、十分な睡眠、休養を基本に、食事面では次のことを意識してみましょう。

1.野菜や海藻類を増やす

野菜や海藻に含まれる食物繊維やカリウムは、高血圧の原因であるナトリウムを尿中に排泄してくれます。

生野菜なら両手に山盛り1杯、炒め物なら両手に1杯、ゆで野菜なら片手に1杯を目安に1日350gとりましょう。

2.青魚を積極的にとる

特に青魚にふくまれるn-3系多価不飽和脂肪酸は血栓の予防や血圧低下作用があります。

3.アルコールの制限

1日の適量はビール500ml(中ジョッキ1杯)、日本酒1合、焼酎110ml(グラス半分)
ウィスキー60ml(ダブル1杯)、ワイン220ml(グラス2杯)

のうちいずれか1つです。
できることから取り組んでみましょう!

注意
特に治療中の方は、食事量、調理方法など、必ず担当の医師や栄養士に確認し、指示に従ってください。

栄養バランスのよい食事とは

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