予防医療を推進していくために～日本人間ドック学会が名称を変更します～

2023年10月号
予防医療を推進していくために
～日本人間ドック学会が名称を変更します～

人間ドックや健診についての学術的な活動や精度管理を行ってきた学会に「日本人間ドック学会」という公益社団法人があります。

そもそも「学会」というものに馴染みのない方もいらっしゃると思いますが、広辞苑には「学者相互の連絡、研究の促進、知識・情報の交換、学術の振興を図る協議などの事業を遂行するために組織する団体。」と記載されており、医学の世界でも学会を通じて基礎研究や様々な診断方法、治療方法などが発展してきました。

1959年	日本病院協会と健保連の正式契約→「短期人間ドック」発足聖路加国際病院にて病院関係者17名が集まり、試験的に発表会を行い、短期人間ドック医療担当者講習会を行った。これがのちの人間ドック学会に発展する母体となる
1969年	短期人間ドック開始より、10年目を記念し、『人間ドック学会』と改称
1975年	大幅な検査項目の追加が行われ短期人間ドック実施指針が出された
1983年	第24回学会より『日本人間ドック学会』と改称
1997年	人間ドック判定に関するガイドライン作成小委員会・実行委員会による19施設のデータに基づく生活習慣病に係わる検査項目報告書がまとめられた
1999年	従来の施設認定に加え、医師の人間ドック健診の質的向上を図る目的で、『人間ドック認定指定医制度』発足
2004年	人間ドック健診施設機能評価制度発足
2009年	人間ドック専門医制度発足

年表日本人間ドック学会50年の歴史より

多くの人間ドック健診機関が所属する日本人間ドック学会でも、学術大会の開催や学会誌の発行に加え、人間ドック健診専門医の育成や人間ドック健診施設の機能評価事業などを行い、人間ドックや健診の質を高める活動を行ってきましたが、来年からその名称を「日本人間ドック・予防医療学会」に変更することが発表されました。https://www.ningen-dock.jp/28035

名称を変更することにより「学会活動を人間ドックに限ることなく、広く健診事業さらには予防医療に関わる事業全般の普及発展、質の向上に寄与すること」を使命とする事が示されています。人間ドックは日本で市民権を得た名称ですが、最終的な目的は病気の早期発見や健康維持であり、これは予防医療に他なりません。がん検診や特定健診も同じ目的を持っていますし、保健指導や食事指導などの生活習慣を改善する試みも大切です。

これまでも同友会は、人間ドックだけでなく予防医療に関わる幅広い事業に携わってまいりましたが、これからも幅広く予防医療を推進することで、「憂いを解き、人々を健康と幸せに」というパーパス（Purpose・社会での存在意義）を実現していきたいと考えています。

日本人間ドック学会WEBサイトでのお知らせ