保健師コラム 小石川の健康散歩道

第30回 手洗い・消毒後は、保湿をセットで手荒れを予防

保健師 内田 道子

みなさま、手荒れに悩んではいませんか。
新型コロナウイルスの感染防止のため、マスクのほか頻繁に手洗いや手指の消毒をすることが日常的になりました。その影響で、例年以上に手荒れに悩む人が増えているそうです。
手荒れを放っておくと、ウイルスや細菌が付着しやすい状況になりかねません。
そして手が痛くなって手洗いや消毒がおろそかになると、十分な感染予防ができなくなってしまいますね。そこで、感染予防もしつつ、肌も守る、そのための手荒れ予防・対策について、今一度ご確認いただけたら幸いです。

手荒れ対策の基本は保湿

手洗いやアルコール消毒によって、肌を守っている皮脂も落としてしまい乾燥します。
そして乾燥が続くと、異物の侵入を防ぐ皮膚のバリア機能が破綻をきたし、手荒れにつながることに……。
そこで、こまめに保湿をすることで、保湿剤が皮脂の代わりとなり、皮膚のバリア機能を保持することができ、手荒れ対策につながります。

保湿に関するポイント

保湿はこまめに
  • 手洗いやアルコール消毒液を使った後のほか、乾燥してきたと感じた時にこまめに行う
  • 手を使わない夜の時間、睡眠時間を有効に使ってしっかり保湿
  • アルコール消毒をした後は、しっかり乾燥させてから保湿剤を塗ること
    (乾燥する前に塗ると、むしろ荒れやすくなってしまうことも……)
保湿剤の選び方
生活スタイルや使いやすさで選ぶことがおすすめ

保湿効果の高さは、 軟膏 > クリーム > ローション の順といわれます。

日中はべたつかないクリームを使用し、就寝時には保湿力の高いワセリン軟膏を利用など、使い分けるのもひとつですね。また就寝前には、ご自身のリラックスできるようなお好みの香りをチョイスしてみてはいかがでしょうか。アロマをたくよりも気軽に香りを楽しめますし、お好きな香りがほんのり香ることでリラックスできますね。

保湿剤の塗り方

まんべんなく手に広げ、指の間もしっかり塗り込むこと
指先は、手の甲に比べて水分が逃げやすく、手の中で最も乾燥しやすいです。

手荒れを防ぐ手洗いのポイント

手荒れ予防には、手洗いの仕方もポイントになります。

水の温度は人肌位(ぬるま湯程度)が適温

高温の水は手の脂を落としすぎてしまいます。

せっけんやハンドソープはしっかり洗い流す

手洗い製剤のすすぎ残しは、肌の刺激につながり、かぶれの原因になります。
しっかりとすすぐこと、特にすすぎのこしが多いのが、手首や指の間なのでご注意を。

手洗い後はこすらず、しっかり水をふきとる

肌に水分が残っていると、皮膚の水分も一緒に蒸発してしまい乾燥の原因になります。

症状に応じて、皮膚科を受診しご相談を

手荒れが起きないように予防することが大切ですが、それでも手が荒れた場合、症状によっては早めの受診が重要です。

皮膚科を受診するタイミング

保湿剤を使用後も、赤みやかゆみが治まらず、どんどんひどくなってくる時。
赤みやかゆみがひどいときは、治療(ステロイド薬を塗る、抗アレルギー剤を服薬等)が必要なことも多いため、早めに受診しましょう。

なお、もともとアトピー性皮膚炎や手湿疹を繰り返す方は手が荒れやすく、頻回な手洗いや消毒により症状がさらに悪化してしまう場合もありますので、ご注意が必要です。
また消毒や除菌の成分には、刺激性があり、それにより皮膚が直接障害されることや、消毒や除菌の成分が原因でアレルギー反応を起こし、かぶれが起きてしまう方もおられます。
その場合、アルコール消毒は控えることが大切です(十分な手洗いをいただけると、さらに消毒をする必要はないといわれております)。
そのほか、水仕事の多い方も手が荒れやすいため、ゴム手袋をはめて、手を水や洗剤から守りましょう。ゴム手袋だけで蒸れてしまう場合は綿の手袋をしてからゴム手袋もおすすめです。

同友会メディカルニュース / 医療と健康(老友新聞)

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