保健師コラム 小石川の健康散歩道

第38回 気になる喉の乾燥の防ぎ方

保健師 脇神 亜希子

朝起きたら、喉がカラカラで軽い痛みも…もしかしたら風邪?コロナ?インフルエンザ?
この冬、そんな経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
喉の粘膜には小さな繊毛が生えており、ウイルスや細菌が体に侵入するのを防いでくれています。繊毛の働きは寒さと乾燥に弱く、まさに冬は喉の粘膜を介した感染症にかかりやすい時季といえます。
特に寝ている時は室内環境の変化に対応しにくく、呼吸の仕方も無防備に。しっかりと対策し喉を守りましょう。

【原因】

1.寝室の乾燥
エアコンのつけっぱなしで寝るなど湿度が下がりやすくなります。寝室の湿度は50%程度が最も快適とされており、40%を下回るとウイルスが飛散しやすくなります。

2.口呼吸
寝ている間は気づきにくいのですが、朝起きた時に口内の渇きが気になる、普段から無意識に口が開くことが多い、鼻づまりがある、いびきをかく、などがあれば、口呼吸による喉の乾燥が考えられます。

3.水分不足
人は寝ている間コップ1杯程度(200~300ml)の汗をかくと言われています。お酒やカフェインの摂り過ぎで排尿量が増えたり、女性ではホルモンバランスの乱れで発汗量が増えるなど、寝ている間に水分不足(脱水)になることがあります。

【対策】

1.加湿器を使用し最適な湿度を確保しましょう。
湿度は40~60%未満に。60%以上になると不快に感じられ、加湿器内の水に細菌が繁殖しやすくなることも。感染すると肺炎を引き起こすこともありますので、加湿器の清掃とともに、適切な湿度になるよう調整が大切です。

2.洗濯物の部屋干しや濡れたタオルを部屋内に置いておく
洗濯物を部屋干しすると、湿度が10~20%上がり部屋全体の加湿に役立ちます。

3.口呼吸を防ぐ・保湿マスクの利用
鼻呼吸をサポートするグッズや、寝る時専用の保湿マスクの利用も効果的です。寝ている間は不快感に気づきにくいため、朝起きた時の装着感を確認し、ご自身に合った素材・グッズを選ぶようにしましょう。

4.鼻づまりやいびきは受診し適切な治療を受けましょう
アレルギー性鼻炎や睡眠時無呼吸症候群などの病気が考えられる場合は、ご自身で口呼吸を治すことが難しくしっかり治療することが大切です。耳鼻科や睡眠外来に相談の上、適切な治療を受けましょう。

5.寝る前にコップ1杯の水分を摂る
寝ている間に失われる水分をあらかじめ摂っておくことで脱水予防になり、喉の乾燥を抑えます。厚生労働省では、入浴後から寝る前にコップ1杯程度の水分を摂ることをすすめています。

気になる喉の乾燥の防ぎ方

参考:厚生労働省 「健康のため水を飲もう」推進運動 より

同友会メディカルニュース / 医療と健康(老友新聞)

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