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季刊誌「お元気ですか」のご案内

2024年7月号

野球解説者 江本孟紀さん

「私の健康法」

なにか一つ、強い信念を持つこと。
その思いが力になり、病気を克服できたんです。

野球解説者
江本孟紀さん

―今回は野球解説者の江本孟紀さんにご登場いただきました。プロ野球選手として東映フライヤーズ(現日本ハムファイターズ)、南海ホークス(現ソフトバンクホークス)、そして阪神タイガースでエースとして活躍され、現在は野球解説者、執筆活動、YouTuberなど多岐にわたりご活躍中の江本様に、病気の克服法や健康法についてお話を伺いました。

常に病気になる可能性を
考えておくことが大切

 「私の健康法」と言っても、6年前に胃がんになりましたからね。スキルス性の胃がんで、発見した時にはかなり進行していて、確か生存率が7%とかね。まあ、とんでもない状況だったんです。それで胃を全摘出して、それからの生活はガラっと変わりましたよ。
 人生感というものも変わったような気がします。「人間って、どういう風に死ぬのかな…」というのを、ふと現実的に思うようになったんです。がんだと言われた時に、ああ、こういうことなんだっていう。でも、あまりショックは受けなかったですね。60歳を過ぎると、大体2人に1人ががんにかかるということも知識として知っていましたし。もし40代、50代の人が同じように言われたら、それは当然ショックを受けるでしょうけど、私の場合は人生ってそういうものだって、割と達観した意識を持っていたので、それほどショックはなかったですね。
 自分は今健康だけど、どういうきっかけで悪くなるのかな?ということを普段から考えておくことって大切ですね。逆に「俺は絶対病気しない」みたいなことを言う人も多いでしょ?でもそれはダメじゃないかな。いざ病気になったとき、ショックが大きいと思いますよ。常に周りの状況や同世代の人を見たりして、自分もこういう病気になる可能性があるって意識しておくっていうのが大事で、それも一つの健康法だと思います。

「絶対に食ってやろう」
その意欲で胃がんを克服

 「あれは食っちゃいかん、これをやっちゃいかん、あれもダメ、これもダメ、運動しなさい」よくそんな風にお医者さんに言われますが、ああいうことは、知識として覚えていても、実際にはなかなかできませんよね。そういった知識よりも、やっぱり自分自身の人生感というか、強い信念のようなものを一つ持つことが大事かなって思います。たとえば私の場合は「食欲」かな。食べることの楽しみって、大きな健康法だと思うんです。胃を全摘出した後は思うように食べられなくなって結構ショックを受けたのですが、それでも「絶対に食ってやろう」という思いが力になって、その意欲で克服してきたんです。
 胃がんになる以前から、割と食に対してのこだわりがあって、あり合わせのものは絶対食べないとか、基本的に食事はきちんとしたものを食べていました。ですが胃を全摘出した後は、やはり食欲が落ちてしまいました。胃がんをやった人は皆、食欲が無くなって、そして栄養失調で亡くなられる人が多いと聞いていましたが、実際そうですね。私の周りも何人か亡くなっています。
 よく、大食いの人を馬鹿にする傾向ってあるじゃないですか。たとえばスポーツ選手って大食いの人が多いですが、それを馬鹿にするような人たち。でも、亡くなった人たちって、そういう意識を持っていた人ばかりなんですよ。私がよく食べるって話を少しオーバーにするでしょ、するとそういう人たちって、馬鹿にして鼻で笑うんですよ。でも案の定、そういう人たちがいざ病気になったら、普段しっかりと食べる習慣がないからどんどん体重が落ち込んでいって、げっそり痩せてすぐ亡くなるんです。
 私が病気にかかったことを知らない人は、私の姿を見て「健康的で素晴らしいですね。」ってよく言うんですよ。だから私、「そうですね、以前よりはちょっと食べられるようになりまして、やっと普通の人の2倍ぐらい食べるようになりました」と返すんです(笑)。それまでは普通の人の3倍から4倍くらいは食べていましたから。ですが胃を摘出した人は普通の人に比べて栄養の吸収力が1/3くらいしかないそうで、本来なら3倍食べなきゃいけないんですね。だから胃を摘出すると、普通の人は絶対に痩せますよ。痩せた上に食べないから、みんなダメになっていくんですね。
 手術後に管理栄養士さんから食事に関する注意を色々と聞いていましたが、その後に私のところに外科の先生が直接来て、あまり気にせずに食べたいものを食べてくださいって言われたのが救いでしたね。私にとって一番心強い言葉でした。素人ですので医学的なことは分かりませんが、自分が好きなことに対して、いかに信念を持ちつづけるか。私は実際、術後7年目に入っていますけれど、今でもガンガン食べます。もちろん限度はわきまえていますし、バランスも取りながらね。

毎日襲われるストレスを
跳ね除けることが健康法

 よく言われていることかもしれませんが、やっぱり全てにおいて精神的な部分が重要だと思うんです。ストレスを貯め込むと免疫力が弱るとか、確かにそうだと思うんです。人間って、生きているだけで次から次へと毎日嫌な思いが襲ってくる。それをどうにかして跳ね除けていく。それが健康法だと思うんです。
 死ぬまでに1回はやっておきたいなっていう心残りのようなことが沢山あるんですが、それを全部やりたいって思っています。私のYouTubeは「人生ふらーりツマミグイ」っていうタイトルで、どっぷりハマらないっていうのが私の主義なんです。だから将来の夢っていうのはとくに無いんですよ(笑)。結構いい加減で、色んなことをほどほどに、適当に楽しんでいますよ。(談)

野球解説者 江本孟紀さん

<プロフィール>
江本孟紀(えもとたけのり)さん
1947年生まれ。高知県出身。
1971年に東映フライヤーズに入団し、同年オフに南海ホークスへ移籍、初年度16勝を上げる。1976年には阪神タイガースへ移籍しエースとしての地位を確かなものにする。現在はプロ野球解説者、YouTuberとして活躍。
高知ファイティングドッグス球団総監督。高知県観光特使を務める。

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